[アップデート] AWS Local Zonesがユーザー自身で有効化可能になりました
こんにちは、菊池です。
本日紹介するアップデートはこちら!
昨年末のAWS re:Invent 2019で登場した新サービス、AWS Local Zonesがユーザー自身で有効化可能になりました。
AWS Local Zonesとは
AWS Local ZonesはAWS re:Invent 2019 にて発表されたサービスで、同じく発表されたOutposts、Wavelengthとともに、AWSリージョンのサービスをエッジに近いロケーションで実行するためのサービスです。
AWSのリージョンが近くにないエンドユーザーにサービスを提供するにあたり、Local Zoneというより近い場所でのサービスの展開が可能になります。Outpostsのように、自前でリソースの設置場所を用意する必要がなく、AWSが提供する場所で利用が可能です。
現在、最初のロケーションとして、オレゴンリージョン(us-west-2)にてロサンゼルスのLocal Zoneが利用可能です。(北カリフォルニアリージョンではないことに注意)
発表当初は、利用のためにはAWSへのリクエストが必要でしたが、今回のアップデートにてユーザー自身でLocal Zonesの有効化が可能になりました。
AWS Local Zonesの有効化
早速試してみます。
オレゴンリージョン(us-west-2)のEC2のコンソールに移動し、ダッシュボードの一番下に有効なアベイラビリティゾーンの表示があります。こちらから[Enable additional Local Zones]に進みます。
Local Zoneである、us-west-2-lax-1を有効化します。実際はLocal Zone Group:us-west-2-lax-1の中に、Local Zone:us-west-2-lax-1aがあるようです。
確認画面が出ます。有効化後、無効に戻す場合にはサポートへの依頼が必要なようです。
実行しました。
画面をリロードすると、Local Zonesが有効になっていました!
AWS Local Zonesの利用
有効化したLocal Zone、us-west-2-lax-1aを使ってみます。有効化直後は、デフォルトVPCにもサブネットがない状態なので、まずはサブネットを作成します。
作成するAZとして、us-west-2-lax-1aが選択可能になっています。
サブネットが作成できました。
作成したus-west-2-lax-1aのサブネットにEC2を起動して、既存のAZや他リージョンとの通信レイテンシを測定しました。
リージョン内のAZ間通信
- OS:Amazon Linux 2
- インスタンスタイプ:m5.large
- 利用AZ:
- us-west-2a(usw2-az2)
- us-west-2b(usw2-az1)
- us-west-2-lax-1a(usw2-lax1-az1)
上記のそれぞれで、Ping100回の結果です。
AZ | min | avg | max | mdev |
us-west-2a - us-west-2-lax-1a間 | 27.574 ms | 27.592 ms | 27.618 ms | 0.112 ms |
us-west-2b - us-west-2-lax-1a間 | 25.940 ms | 25.951 ms | 26.009 ms | 0.201 ms |
us-west-2a - us-west-2b間 | 0.598 ms | 0.614 ms | 0.675 ms | 0.036 ms |
既存のAZ間は1ms以下で安定しているのに対し、Local Zoneとは20ms以上となっています。ロサンゼルスにあると言われているLocal Zoneは、既存のAZとはかなり距離がありそうです。
北カリフォルニアリージョン(us-west-1)からの通信
us-west-2-lax-1aがあるロサンゼルスはカリフォルニア州ですので、同じ州内である北カリフォルニアリージョン(us-west-1)からはどうだろうということで、試してみました。今回は、VPC内ではなくパブリックネットワーク(インターネット)経由での確認です。
us-west-1に起動したEC2から、us-west-2-lax-1a、us-west-2aのEC2インスタンスに対してそれぞれ同様に測定しました。
AZ | min | avg | max | mdev |
us-west-1 - us-west-2-lax-1a間 | 9.932 ms | 9.950 ms | 10.024 ms | 0.036 ms |
us-west-1 - us-west-2a間 | 20.953 ms | 20.976 ms | 21.121 ms | 0.151 ms |
こちらはLocal Zoneの優位性が大きく出ました!同じカリフォルニア州内からの通信では、us-west-2-lax-1aへの通信が10ms程度となっています。
まとめ
新サービス、AWS Local Zonesを試してみました。
エンドユーザーに近いロケーションでサービスを実行することで、レイテンシにシビアなアプリケーションでは大きな恩恵が得られることでしょう。現状はロサンゼルスが対象ですが、多くの地域に展開されることを期待します!